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英語を学ぶのではなく、英語で学ぶ。国際バカロレアとは

2020/9/25
学校法人AIC鷗州学園 AICJ中学・高等学校 副理事長
岩本 知士
AICNZ Director
中村 敬志
Yahoo! JAPAN 有志プロジェクト
パパママプロジェクト

留学ってどんな手段があるのだろうと調べると、よく見かけるのが国際バカロレアという言葉です。どうやら英語の先進的な教育方法のようです。興味はあるけど、どんな子どもが学んでいる、どんなプログラムなのでしょうか。小学生の長男に、どうやって英語を学ばせようか試行錯誤しているママライターが、日本で国際バカロレア認定校を運営されているAICJ中学・高等学校の岩本さんと、ニュージーランドのAICNZから中村さんにお話を伺いました。3回に分けてお送りします。

我が家には小学生の息子に英会話を習わせていますが、それ以上の英語教育に関する知識は持っていないのです…。より進んだ英語教育とか、留学とかってどうしたらよいのか、ぼんやりと調べたりしています。そんな中でよく見かける国際バカロレアというものがいったい何なのか、きょうはお伺いしたいです。AICが日本とニュージーランドで展開されている中学・高校は、国際バカロレア認定校ということなのですが、初歩的なことですみません…国際バカロレアとはなんでしょうか

国際バカロレア(IB:International Baccalaureate)とは、国際的に統一されたカリキュラムを実施して、高校卒業単位(ディプロマ)を取得する教育プログラムのことです。全世界のIB認定校で、同じカリキュラムを英語、フランス語、スペイン語で実施しています。AICでもニュージーランドと広島に認定校を運営していますが、シリバスはどちらでも同じです。

英語の勉強をする、英語の勉強方法ということではないのですね!

そうですね、英語の勉強ではなく、英語で数学や理科、社会を勉強するわけです。IBは、卒業時に45点満点であなたは何点でした、という点数がつきます。世界ではIBを取得して卒業する子どもが1年間に16万人いるのですが、この卒業時の点数で、自分は16万人のどの位置にいるということが分かります。この価値観は、広島にいてもニュージーランドにいても同じです。IBの存在意義はまさにそこにあります。どこで習おうが同じ結果になる、国際標準としての資格制度ですね。

なるほど、世界のどこで勉強していても同じ土俵で戦えるということなんですね。確かに海外から日本に来る子どもがいきなり日本の学校に入ると、語学ももちろんですが習っていることがまったく違って戸惑いますもんね。

IBを実施している学校だと、全世界でプログラムが同じなのでそういうつまづきは起こらないわけですね。文科省のHPによると、現在、日本ではIB認定一条校は44校あります。文科省が約5年前に、IB認定校を200校にする計画を発表しています。その当時、インターナショナルスクールを除くと、日本でIB認定を受けていた学校は11校でしたので、5年間で徐々に増えていていますね。

IB認定校とは、中学校からですか?

いえ、幼稚園の年齢からありますよ。日本とは少し年齢の区分けが違うのですが、だいたい幼稚園と小学校はPYP(Primary Years Programme)、中学生はMYP(Middle Years Programme)、高校生はDP(Diploma Programme)というプログラムを学んでいます。ただ、日本で実施する場合は、やはり文科省が定める学習指導要領の縛りもあります。IBを実施しつつ、日本の教育プログラムも実施する必要があるわけですね。

国としては、今後IB校を増やしていきたいと思っているのでしょうか。もっとあちこちに学校がないと、なかなか通わせようというわけにもいかなくて。

IB認定校を増やす手段として、日本は日本語でIBを学ぶという手段を採ったのです。本来IBは英語、フランス語、スペイン語のいずれか、特例として中国語、ドイツ語が入ってきますが、それに加えて、日本語で学ぶ場合もIBに入れてほしいと政府が要請して、認可されています。IBを英語で学ぶのか日本語で学ぶのかを選択するのは学校で、日本語でDP(高校ディプロマ)を実施しているところは、これも文科省のHPによると24校あります。

英語で数学などほかの教科を学びつつ、日本の普通の学校と同じ学習指導要領の内容もこなすんですか。それは生徒側も相当高いレベルを求められそうな…。次の回で、IB認定校でどういう勉強をしているのかもう少し詳しく聞かせてください!

学校法人AIC鷗州学園 AICJ中学・高等学校 副理事長
岩本 知士

鷗州塾で13年間、数学教師を務めながら、地区や校舎の運営のほか、教務管理も経験した。その後2010年より国際バカロレア認定校AICJにて学校経営に携わる。

AICNZ Director
中村 敬志

ニュージーランド・オークランドにある国際バカロレア認定校、AICNZに2006年の立ち上げより参画。一緒にニュージーランドに来た長男はもうIBディプロマを取得し日本の大学へ。下の長女もいま高校でIBディプロマを絶賛取得中。

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Yahoo! JAPAN パパママプロジェクトとは、ダイバーシティを推進し、働きやすい社内風土を醸成するため、有志を中心とした社内プロジェクト。ランチ時間に子どもを持つ従業員が集まり子育てと仕事に関する情報交換ができる「パパママカフェ」の開催や、外部講師による子育てセミナーなどを企画しています。社内外のネットワークや活動も行い、日本全体として働きやすい環境風土の醸成につとめていきます。

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