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どうなってるの?2020年教育改革

2020/10/16
AICエデュケーション 高校部部長 森山 泰誉 AICエデュケーション 高校部部長 森山 泰誉
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社会の変化に合わせた教育改革を、と議論が行われている教育改革。大学入試が変わるとか、小学生から英語を学ぶようになる、といったニュースはよく聞きますが、いったいわが子にどんな影響があるのでしょうか。進学塾「鷗州塾」を展開するAICエデュケーション高校部部長、森山さんにお話を伺いました。

なぜいま教育改革が行われようとしているのですか?

これまでの学校教育とは平たく言うと詰め込み式で、知識や技能をひたすら覚えて詰め込んでいくという方法でした。ただ、現代においては、インターネットで調べればたいていのことは分かってしまいます。

昔は知識があることが能力のひとつでありましたが、いまはコンピューターがそれにとって代わっています。産業においても、覚えればよいだけの単純な作業はコンピューターがやってくれるようになりました。あと数十年で、半数近くの職業が機械化されるという数字もあります。

また、外国とのかかわりも格段に盛んに、そして簡単になっていますので、国際化も進めないといけません。社会の大きな変化の中で、知識や技能ばかりを重視するいままでの教育方法ではダメだ、ということになったわけです。

いま議論されている教育改革の中身を簡単に教えてください!

3本柱で成り立っています。知識、技能を身につけること。これは今までと同じですね。さらに、思考力・判断力・表現力を身につけること。そして、いかにしてその学びを使っていくか。

ここまでを学校で教えていけるようにしようというのが、今回の教育改革の目的です。公立中高一貫校の「適性検査」は筆記テストのことなのですが、その内容は「資料」や「グラフ」などの因果関係、相関関係を読み取る問題や理科で言う「実験」などに関する問題です。これは、私立中学受験のような教科別の試験ではなく、教科を越えた総合的なテストです。

小学校ではプログラミングを習うようになると聞きました…

小学校で取り組むのは、主に国際化に対応する、という部分です。プログラミングを習うのは、理論的な思考ができるようにすることが目的ですね。プログラマーになれというわけではありません。

そして、中学・高校となってくると、知識や技能を生かすための思考力・判断力・表現力を身につけることを主眼に置いた教育になってきます。「アクティブラーニング」というものですね。グループディスカッションなどの手法で、主体性を持った勉強ができるようにしていくわけです。

いわば、私たちが大学のゼミとか研究室でやってきたようなことを、中学・高校からできるようにしていく。知識だけではなく、自分から動けるような日本人を作って、国際社会と渡り合っていこうとするのが今回の教育改革なんです。

すごく必要なことですが、実際には進んでいるんでしょうか?

大学入試など、具体的なことについてはいまだ議論の途中ですが、学校現場ではすでに授業にアクティブラーニングが取り込まれています。小学校でも英語やプログラミングの時間は設けられましたね。少しずつ蓄積していって、徐々に変わっていく段階、といったところでしょうか。

ただこうした変化は、生徒の立場からすると厳しいものになると思います。主体的に学ぶということは、生徒自身の努力が必要になります。黙っていたら置いて行かれてしまうわけですからね。

学校での成績、評価は変わってくるのですか?

いままでの詰め込み型だと、点数で分かりやすく評価できました。今度からは、「主体性」をどう評価するか。評価する側の能力が必要になってきます。

そこで、テストの点数だけでなく、作文や作品、学校生活の様子を見ながら、成果を出すまでの過程も評価する「ポートフォリオ評価」「パフォーマンス評価」といった手法がクローズアップされてきています。

大学入試を変えるというのも、評価システムの変化を反映したものなんですか?

そうですね、こうした評価を全員に共通したテストでやろうということが議論されています。

ただ、推薦入試やAO入試など、大学側が工夫を凝らして、生徒の能力を細かく見ようというテスト形式がすでにあるわけです。ですので、私どもは共通テストは単純に知っているか、知らないかのチェック、知識や技能をチェックするものでよいと思っています。

先ごろまでは、採点のばらつきの問題がよく報道されていましたね。採点者の意識も統一する必要があるわけです。50万人近くが受ける共通のテストに導入するにはなかなかハードルが高そうですね。

オンライン学習が一気に導入されましたが、これはどう評価されますか?

学年が高くなってくると、授業として有効に成り立つと思います。

ですが、小学生だとオンラインだとしっかりした教育ができないようですね。先生が言いたいことが、生徒に伝わらない。現場も試行錯誤を続けておられるところと思いますが、やはり授業を受ける側にもある程度のレベルが求められるようです。

さらに、学校に求められる教育は、知識の習得だけではないわけです。時間通りに席に着き、休み時間にクラスメートと遊び、同じ行事を成功させ、というような、集団生活で学ぶべきものがオンラインでは得られない。なんとか双方の「いいとこ取り」ができるとよいとは思っているのですが。

昨今話題の、9月入学については?

国際化が進んでいますので、海外の大学を目指す高校生にとっては世界とそろう9月入学はスムーズに受け入れられるでしょう。今後はそういう流れも大きくなるのではと思います。

ただ、現在は4月に高校を卒業したあと、英語の勉強をしたり、早めに現地にいって語学予備校などに通ったり生活に慣れたりができる半年間があったわけです。準備期間という意味ではメリットはあったわけですね。

9月入学が導入されることになったら、切り替えの一時期はこうしたことも含めて混乱するでしょうが、ただそれも慣れるまでの一時期だと思います。世界と足並みをそろえることは、可能性を広げることになると思っています。

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