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中学受験の学校選び

2020/10/27
共育コンサルタント 金澤 浩 共育コンサルタント 金澤 浩

首都圏では小学生の5人に1人が受験すると言われる中学受験。

もともと中学受験を検討していなかったご家庭でも学年が上がるにつれて、周りのお友達が
塾に行きはじめて「うちは検討しなくて良いの?」と不安になっているケースもあるのではないでしょうか?
そこで今回は大手学習塾で21年間勤務し、エリアリーダーや教務部長など様々な役職を歴任、現在は共育コンサルタント/進路選択コーチとしてご活躍されるとともにプレミアム家庭教師サービスで中学受験生や高校受験生を指導している金澤 浩さんにお話を伺いました。

中学受験をするメリットとは?

中学受験をきっかけに学力の基礎(計算力や語彙力、社会や理科の知識など)が高まる傾向があります。

私は高校受験のサポートもしていますが中学受験を経験しているお子さんは全般的に基礎力が高く高校受験でも有利です。
また学習する習慣もつくので、そのあたりがメリットだと思います。

あとは学校によって「理念」や「教育方針」が定まっており、お子さんの性格やご家庭の教育方針に合う学校に通わせることができることもメリットではないでしょうか?
大きく分類すると「国立」「公立」「私立」などの運営形態の違いがあると思います。

受験の形式などで分けると「公立」は「適性検査」と言う特殊な検査方式なのに対して
「国立」と「私立」は学校によっても違いはありますが受検の形式は共通する点も多いと思います。

また学費などの費用の面では学校によって違いはあるものの「国立」「公立」と比較すると「私立」は負担が大きい傾向があるます。

あとは別の軸として附属校と進学校に分類することが出来ます。

私は「国立大学に行きたい」や「学びたいことが明確」と言うお子さんには進学校を勧めています。
大学受験で志望する大学・学部を受験して受かる力を身に付けさせてくれるので選択肢が広げられる面があると思います。

逆に「校外活動や留学などで受験を気にせずに時間を使いたい」と言うお子さんには附属校を勧めています。
また将来的に"ある大学の医学部に進学したい"と言うような明確な目標がある場合に、その大学の附属校に進学すると
(理系の科目で一定以上の成績を修めるなどの条件はあるものの)外部から受験するのと比較すると希望大学に進学できる可能性が高まる場合もあると思います。
※附属校の中にも外部大学への高い進学実績を持っている学校もあります。

高校受験や大学受験との違いは?

高校受験や大学受験と中学受験を比べると親の関与の度合いが高い点があげられます。

具体的な違いとしては大きく3点ありまして
1つ目は「学校選びと情報収取が親主導であること」です。
小学生のお子さんが学校の情報や説明会の情報などを自身で取得してくるのは難しいので
親が情報を集めて整理してあげる必要が出てきます。

2つ目は勉強の計画を立てたり進捗を管理したり、場合によっては教えてあげることも求められます。
いつまでに何をやるか?などの中長期のスケジュールから、塾で出された宿題をやるスケジュールを管理なども小学生が自分で管理するのはなかなか厳しいのが現実です。
ですから中学受験では親がある程度関与してサポートしてあげる必要があります。

3つ目が生活面でのサポートになります。
塾で出されたプリントのファイリングなども子供に任せておくと"ぐちゃぐちゃ"で整理できていないケースが多くみられます。お子さんが管理できるようになるまでは親がサポートしてあげる必要があると思います。
日常生活でも、塾やテスト日のサポートなどで買い物や外出の時間などを子ども中心のスケジュールになってしまうとの声も多く聞かれます。
また受験期間中は睡眠時間の管理や食事の管理なども家族がサポートしてあげる必要があると思います。

志望校はどのように決めれば良い?

私は志望校を決める前にご家族(できれば、お子さんも含めて)やって欲しいことがあります。

それは“なぜ中学受験をするのか?”を話し合って欲しいと思います。
例えば「ママ友がみんな中学受験をさせるから」や「近所の公立中学には通わせたくない」みたいな理由だけで中学受験を考え始めると“できるだけ偏差値の高い学校に行かせたい”くらいしか志望校を選ぶ理由がなくなってしまいます。

その状態で学校見学などに行くと、どこも良い学校に見えたりします。
そのような状態になると学校見学に行けば行くほど志望校が見つからず、結局「偏差値」だけで学校を選んでしまっているようなケースもみられます。

そこで志望校を決める前に
・受験をすることでお子さんに(お子さんが)どんな風になって欲しい(なりたい)のか?
・どのような環境に入って欲しい(入りたい)のか?
を家族で話し合って欲しいと感じます。

その結果"どんな風になって欲しい(なりたい)のか?""どのような環境に入って欲しい(入りたい)のか?"が決まらないなら中学受験をするべきなのかどうか?から考えて欲しいと思います。
※理想はお子さんにも“なぜ中学受験をするのか?”の答えをもって受験に臨んで欲しいですが小学生だと、まだ幼いお子さんもいますので最低でも保護者間で共通の目的を話し合って決めておくと良いと思います。

では“なぜ中学受験をするのか?”に関して親が方向性を決められた場合に最初に考えるべきなのが公立や国立を第一志望にするのか?私立を第一志望にするのか?を決める必要があると思います。
具体的に言うと学費などの費用面は一般の公立中学と同程度で高い進学実績がある公立や国立を志望させるのか、もしくは国公立と比較すると費用負担が高いが、「理念」や「教育方針」が定まってる私立中学を志望するのかを検討して欲しいと思います。

私立でも学校によって必要な費用は変わってきますが6年間で数百万~一千万円を超える費用がかかってきますので、費用面は親が主導して方向性を決めてあげる必要があると思います。

費用面での方向性が決まったら私立にしろ国公立にしろ最初に決めた“なぜ中学受験をするのか?”の基準で志望校を決めていくことをお勧めしています。

その上で公立や国立を志望する場合は、お住まいの地域によって受験可能な学校が限定されますので、その中から学校を選ぶことになります。
逆に私立の場合は選択肢が多いため志望校を選ぶのも大変だと思います。

そこで私がお勧めしているのが附属校を志望するのか、進学校を志望するのかを決めることです。
“なぜ中学受験をするのか?”で考えた方向性から附属校を志望するのか、進学校を志望するのかで志望校を選択していくとお子さんに合った学校が見つけやすいのではないかと思います。

また進学校は理系大学に強い学校と文系大学に強い学校や国立大学受験に強い学校と難関私立大学に強い学校など得意分野があったりします。そのような観点も学校選びの基準にすると良いと思います。

志望校選びの最後に受験を検討している学年による制限があると感じます。
私立や国立の最難関校を受験する場合は小学校3年生から4年生には受験準備を開始しないと厳しいと感じています。

逆に公立中高一貫校であれば調査書なども必要なので小学校での成績が良いなどの前提条件はありますが受験準備自体は6年生のはじめからでも十分に間に合うと思います。

また私立でも中堅校クラスなら5年生や6年生からの準備で受験を成功されているお子さんを多くみかけます。

共育コンサルタント 金澤 浩 共育コンサルタント 金澤 浩

2002年慶應義塾大学総合政策学部卒業。
大手学習塾にて教室長、エリアリーダー、難関校受験コース責任者、進路情報戦略室長、教務部長を歴任。
2019年に学習塾を卒業し独立、共育コンサルタントとして学校経営コンサル、人材育成コンサル、学生・保護者向けコーチング、コミュニケーションに関する講演会やセミナーなど様々な活動をしている。

WEB:https://peraichi.com/landing_pages/view/btp115

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