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公立中高一貫校は作文問題で何を試そうとしているのか?

2020/12/24
全国公立中高一貫対策 iBASE(アイベース)作文科主任 村本 威 全国公立中高一貫対策 iBASE(アイベース)作文科主任 村本 威

公立中高一貫校の適性検査では、作文の問題があります。作文が苦手だというお子さんもいることでしょう。2020年11月15日に開催された「専門家/在校生・先輩保護者から学ぶ 公立中高一貫校受検セミナー」にて、iBASE作文科主任の村本さんにお話いただいた内容をご紹介します。

公立中高一貫校の作文で問われる力は4つある

公立中高一貫校の受検で出題される作文ですが、問われるテーマ、文字数、条件は各校で異なります。しかし、共通して問われる力は主に4つです。

大枠は、「ソウゾウ」力と「シコウ」力の2つ。「ソウゾウ」力には物事を多角的に捉えて、自分の考えを相手に発信できるかが問われる「創造力・想像力」が含まれます。そして「シコウ」力には何度も繰り返す経験を重ねて、道筋を立てて物事を伝える力が問われる「思考力・試行力」が含まれます。

公立中高一貫校の作文の傾向は2つ

出題される作文の傾向は、「テーマ型」と「要約型」があります。テーマ型は、与えられた特定のテーマそれに対して意見を述べる作文で、字数は400字程度。要約型は、与えられた文章を要約し、それを踏まえて自分の考えを伝える作文で、要約文が100字、意見文が200字程度です。

全国の公立中高一貫校の受検で出題される作文において求められるのは、「自分の考えをきちんと伝えられる力」と、「なぜそう思ったか理由を解説する力」の2つと言えるでしょう。

作文にはカリキュラムがあるから必ず上達する

私が受け持っている生徒さんの保護者から、さまざまなお悩みをお聞きします。その中でよくあるのは、文章に「個性がない」とか「語彙力がない」といった内容です。近年、学校によっては読書感想文を書く取り組み自体がないなど、お子さんが作文を書く訓練を積める環境がなく、そもそも文章が書けないというお子さんも多くいます。

しかし、私は保護者の皆様にこう伝えています。「作文は、訓練次第で必ず上達できるため安心してほしい」と。最初は作文をつくるのに2時間かかっていたお子さんでも、受検直前には15分でハイクオリティーな作文を書けるようになりました。

上達には根拠があります。それは、「作文にはカリキュラム(「ソウゾウ」力と「シコウ」力を磨くステップ)がある」からです。最初の一段目さえ間違えなければ、必ず上達していきます。

作文対策の第一歩としてご家庭でできること

作文が上達するカリキュラムの中で、ご家庭でやれることがあります。それは、「○○は必要?」という問いを与えることです。例えば、「図工の授業は必要?理由も説明しましょう」といった設題です。まず、この質問に対してお子さんに「必要だと思うのか」「必要ないと思うのか」自分の立場を決めさせましょう。そして、なぜそう思ったのか理由を聞いてあげましょう。また、「反対の立場だったらどういう理由が考えられそうか、3つの理由を挙げてみよう」など、ご家庭それぞれで条件を設定してみてください。

図工の授業以外にも、音楽の授業やお小遣いなど、身近にあるテーマについて「必要か必要じゃないか」「いるかいらないか」の意見を述べさせ、その理由を説明する訓練をすることで「ソウゾウ」力と「シコウ」力が磨かれ、作文を書く能力が上達していきます。

「ソウゾウ」力と「シコウ」力は21世紀に求められる能力

私が担当した生徒さんで、公立中高一貫校の受検にチャレンジしてみたけど、志望校の倍率が高いという事情もあり、残念ながら不合格だった子もいます。しかし、受検にチャレンジした子とその後に再会すると、みんな輝いているんですよね。

公立中高一貫校を受検するために培った想像力や思考力は、その後の進学や学習において役立ちます。高校・大学入試の準備学習はもちろん、社会人になってからもさまざまなシーンで「自ら考えて動く力」は自身を助けてくれます。作文問題で問われる「ソウゾウ」力と「シコウ」力は、お子さんがこれからの未来を生きていくための土台づくりに欠かせない能力なのです。

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全国公立中高一貫対策 iBASE(アイベース)作文科主任 村本 威 全国公立中高一貫対策 iBASE(アイベース)作文科主任 村本 威

京都大学経済学部卒
全国トップレベルの2校「京都 洛北附中・西京附中」に始まり全国の公立中高一貫専門の作文指導を長年行っています。
実は、センター試験廃止等の「教育改革」の内容を10年以上前から先取りしていたのが公立中高一貫の入試です。
公立中高一貫の入試の中でも配点が大きく対策が難しい「作文」の傾向と対策をわかりやすくお話しいたします。